友人たちの好きなこと


日本語での会話もまーったく成り立っていないのにましてや英語で考えを伝えるなんてできません。日曜日に姉と電話して、わたしが普段何も考えてないことを再指摘されて。
ベルギーでかわいいもの、知らないのお。道歩いてて面白いと思ったことも、いままで気づかなかったものでもないし。といっている時点でほーんと何事にも興味ないんだなと。
おねえちゃん、日本ではやってる(ほんとに?)cocoちゃんのキャラクターもしらなかったよ。
Jさん、Sさん、日本からの輸入品のUSBペンギンも目にとめてなかったよ。たしかにかわいい。あれだけ言われるといままで見たUSBBのなかで一番愛らしく思えてきてほしくなってきた。

友人たちに「〜知らないの?」日本人なのに?デザインやってるのに?といわれて、はじめてモノのかわいさに気付きます。
ふだんどんだけ無意識のなかで日常生活暮らしてるんだという話です。キャッチ力ない。。。


好きなこと何?と聞かれるとまずは「バレエかな」と言いますが、バレエに敏感なわけでもありません。欧州では、友達に誘われたローザス以外まだ見に行ってないです。公演会の情報は全く知らないです。

自分の好きなことを探すよりも、友達が好きなことを聞く方がおもしろい。



午前


Sさんのディプロマ作品をみせてもらう。やば!見たことないわ!完成度が高い!アイディアもそのモノ自体も、みたこともさわったこともなく、ほんとに感動した。
彼女はベルギー人の中で数少ない中の一番の友達で、トポグラフィー学科を3年前に卒業した。
作品は「友人たちの夢」というタイトルで5冊の本にまとめたもの。ストーリからレイアウト、それを本にまとめるまでが彼女の仕事。友人たちの夢の内容、伝え方、見た場所を本として1つのかたちにしてあった。その本の箱、カバーから紙、字、印刷、シンプルなんだけど洗練されていて、すべてこだわっているのが伝わる。

ストーリをつくるにあたり友人たちに3つのお願いをする。いままで見た夢とあなたの部屋の写真を3つ選んでください。
内容は夢グラフ、部屋、見た夢の3ページから構成。カバーデザインは小さな色丸が白いページにぽっぽっぽとちりばめられている。夢の長さと内容と時期を色プロットしてドットだけ取り出した。次のページは写真3つが並んでいて、それもセレクトからそのひとの性格・生活がわかって楽しい。Sさんのお姉さんは超自由人だから自分の部屋の写真がなくて花や猫をのせる。Sさんはたたんでない蒲団ベッドの3連写。ページをめくると夢のストーリが書いてある。

一番おもしろかったのは、夢の内容ってはっきり語れる人とあやふやな人がいたり、夢の内容も筋がとおっていないこともあったり、本当にひとさまざま。本人もはっきりおぼえていないから言ってることも文法もめちゃめちゃ。右ページで彼女のセリフをタイピングして、アクセントに応じて文字の色を変え、左ページにまったく同じ文のレイアウトで文章は消して発音・文法ミスの単語だけとりだしている。言葉がランダムにちらばってみえてそれもまたおもしろい。


夕方

彼女の作品を製本した日本女性の方とカフェでお食事。
すごーくきめこまやかな方で、カフェで、あれかわいくない?とか、なになにってこーなんだよとすぐにぱっぱと指さしておもしろく説明してくれて大変感動しました。
きちんきちんとしていて日常のちょっとしたことをぱっとみつけて「おもしろいよね」と。そういう話を聞くとなんだかハッピーになり、明日はわたしがみつけてやろうと思いました。