フラストレーションな一週間

今週は疲れとフラストレーションがたまった。
日記を更新する余裕がなかったのは、反省。もっとどっしり構えないと見失うことが多そう。



<10月6日月曜>
ブリュッセルのストの件ではパリの駅での対応の悪さと、月曜日ブリュッセル市内の地下鉄バスすべての交通機関がストップした。
学校まで徒歩でいくと、教授もストして授業がなかった。
徒歩で1時間かけてきた生徒もいるなかで(わたしは40分)突然のストはひどい。生徒への連絡は伝わっていなかった。
ほとんどのスーパーも休みのため、唯一あいているスーパーは1時間のレジ待ち。列のけんかがこわい。みな気が立っている。
日本ではバスがストしても電車を代用すればよく、とくに不自由はないが、ベルギーで一つの機能が停止すると生活の大半の部分に影響が及ぼされる。


<10月7日>
Transition processの講義。
ヨーロッパの学生はcommon senseなのであろうか、さほど真剣に聞かないが、日本人にとってはなかなか興味深い授業。
都市のグローバル化を経済指標で計る方法を紹介。GNC(global network connectivity)は、各会社の支店がどこの国にどれだけの規模あるのかを0〜5のランク付けし、各国にあるその企業のランクとモデル国のランクをかけて、モデル国に出店している全会社の数値を足し合わせ、その数を国間で比較したもの。

統計の講義のようでおもしろい。


<10月8日>
休みかと思いきや、予想外に授業があった。ゲントに美術館とXVDGの建物を集団で見に行くツアー。
美術館はちょうどピラネージェの展示をしていた。
XVDGの建物は、学生の案のように非常にべたな印象だった。操作はおもしろくても無駄な空間が多い。<10月9日>
スタジオの読書会。JAファイバーシティを章ごとに読んで要約を発表。一人の建築家の研究会でも1冊だけ指定なんてことはなかったが!
やる気のある学生、全くない学生が明快であった。ベルギー学生の半数以上が課題をボイコットし、エラスムスの3分の2以上があきらかにやっつけ仕事。なぜ日本の雑誌を読むのかなぞだからといっていい加減にやったプレゼンを聞くのは聴き手側にはかなり苦痛。1冊しかだされていないのだからやりたくないないのなら他のことを発表すればいいのでは?2,3ページのグラフィックから提案のあらさがしをする、日本人の話を確認や参考文献も引かずに聞いたそのままプレゼンするなど、信じられない。数人を除いては非生産的なプレゼンであった。結局教官がその章の要約。やる気がある生徒が50人中少なくとも数人いて安心した。ただ語学とプレゼン力の問題で言いたいことがしっかり伝わっていなかったようだが、本人の身振り手振りとスライドから何を言おうとしていたのか思い返してみた。おもしろかったのはスペイン人のプレゼンで、日本の山の手線駅のホームのビールの広告、キリンとアサヒが2枚並んでいる様子をとったもの。両者ともジョッキを片手に大きくスマイルしている写真で、「なぜ東京は看板があふれているのか。奇妙に思う点は、山手線を待つ乗客は3分間の間にどうしてこのような交通とは無関係の、情報量の少ない商業広告をみなければならないのか。」
文字情報量の少ない商品広告は、ヨーロッパでは道路におくなどして車のスピードでみせるものなのに、なぜ立ち止まる場所に3分間みなければいけないのか。うーん、日本にいるときは見ていて覚えていても、無意識的に無視してたから気にしてなかった。日本の電車は世界一正確に運行しているから、電車の待ち時間=広告の正視制限時間なのか。

わたしの担当は「線分から都市を考える」、大野先生・槇さん・藤森さんの対談を英文で400字以内でまとめる。話が広く深い内容だったため、わたしは東京に「線分」がどのように現れるのかを、地図上に江戸から大正にかけての東京全図と麻布市街図の2スケールで説明した。東京には一大都市を大改造するマスタープランは完全に遂行されることはなく、部分部分でさまざまなプロジェクトが各時代になされて、土地が再分割されていった。それらの集積なのだ、ということを「明治の東京計画」と「見えがくれする都市」を参照しつつ説明。

イメージ図1枚にまとめよとのことなので、地図・写真をアレンジ加えて編集。

わたしの英語スキルができていないから、聞き手も苦痛であったであろう。自分ではわかりやすく言ったつもりであっても、他の人のプレゼンを聞きつつ思い返しては、バックグラウンドが違うのだから内容を絞って1番のポイントをもっと丁寧に繰り返せばよかったと反省。
ベルギー学生のボイコットの割には、10時からはじまり終わりは5時近く。

今週はよくわからない疲れとストレスがたまった。金曜日の午前中はストレス解消にドラゴンボール動画を見て、午後はブリュッセル市内の路地裏観察。