気になる建築

http://www.kenchiku.co.jp/world/0710/photo/pho01.html


前学期スタジオの「小菅拘置所」の塀かと思った。
自分のやりたかったことに少し近い。
高さ一定の長い壁というのに反応しました。
終わった課題でも、いつも頭のどこかで「どうすればうまく伝わることができたのか」を考えてしまう。デッドラインを守らない悪い癖です。課題作品って、いつも「終わった!」て達成感がないんだよなあ。。。。



―――
以下、淵上正幸「世界の建築は今。。。No.26」より引用(http://www.kenchiku.co.jp/world/0710/top.html


ジャン・ヌーヴェルのイタリア・デビュー作である「ブレンボ研究&開発センター」は、ヌーヴェル自身がマスタープランを担当した「キロメートル・ロッソ・サイエンス&テクノロジー・パーク」に完成した最初の建築である。

この公園は、ベルガモ郊外を走るミラノ・ヴェニスA4ハイウェイに沿って広がる392,000㎡の広大な土地。内側からコンセプトが発想された「サイエンス・パーク」は、自然があふれんばかりに充満するエコ・キャンパスだ。“キロメートル・ロッソ”と呼ばれる赤色の押出し成形アルミによる驚異的な建築的ステージ・シーンが特徴だ。

ブレンボ社はイタリアのスーパーカーやレーシングカー、およびオートバイの由緒あるブレーキ・メーカーであり、また商業やホテル事業も推進中で、この計画ではその存在をアピールするデザインが望まれた。

この要望に応えてヌーヴェルが考案したのが、長さ1kmを想定したスーパー・スケールの「レッド・ウォール(赤い壁)」だ(先々1kmまで延ばすという)。それはこのインダストリアル&コマーシャル企業に強烈なアイデンティティーを与えた。高さ10mの長大な赤い壁は、輝くアルミ製のボディで、ハイウェイ沿いに横臥し、内側のエコロジカルな公園を騒音から守るノイズ・バリアーであると同時に、自動車の排気ガスをもシャットアウトするストッパーになっている。

「レッド・ウォール」と高速道路の間には、壁沿いに広いパーキング・エリアが延びている。このエリアも真紅に塗られ、「レッド・ウォール」と一体になって、高速道路と公園間のバッファー・ゾーンを形成している。

ブレンボ研究&開発センター」は、「サイエンス・パーク」内の南西側敷地境界付近にあり、約11,000㎡の建築面積をもっている。地上3階建ての建物は「レッド・ウォール」に対し、平面上直角に結合して一体化されている。特にエントランス・シリンダーは、「レッド・ウォール」が大きく公園側に凹んでエントランス・キャノピーを形成した所に、アルミ製のシルバーに輝くシリンダーを垂直に結合させ、ハイテク・タッチのエントランスを演出している。

建物は南西側に大きな池を擁し、半透明ガラス張りの矩形マッスを水面に宿している。面白いのは、「レッド・ウォール」の端部が池の中に進入して中央部で停止しているのだ。水上にそそり立つ赤い壁と水辺に佇むガラス張りの建築という人工物に対し、静かな水面と周囲の緑という自然が見事に融合して素晴らしい景観を見せている。

自然を守った「レッド・ウォール」の内側では、研究と技術革新の活動が継続され、ナレッジ・ネットワークの創造を目標として、この先6〜8年の間に、3,000人を上回る雇用が促進されるという頼もしい計画が始動している。