Process for Presentation

留学でのチーム設計は論文作成方法に似ており、エスキスを重ねては各個人で資料・データを収集し残された時間をカウントしました。
 形から敷地選定ではなく今回は敷地のpotentialを読み取ることから試みました。Presentationは9ページの本と1枚のポスターにまとめるよう求められました。設計したものよりもプロセスを見てもらいたいと設計プロセスに準じてページを決めていきました。
(cover)


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*開始から1か月前まで

敷地きめ(page1) (page2)


思いつく限りをスケッチ、質問
スケッチから発見しそれをまたスケッチ。

建築と緑の連続したランドスケープを同時に設計することははじめからきまっていました。私の場合、チームメートが中間発表で作成した運河の合成パノラマ写真をみて、橋を赤く木を緑にペイントし、工場部分を断片的に緑に塗って最終的に緑のラインが赤い橋までつながればいいなと思いました。この敷地では住環境が月日をかけて徐々に開発されていくプロセスを大事にしたかったので、そこで現在から1、10、50年後に渡っての4枚の未来イメージを描いて設計を進めました。(page3)


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*最後の4週間

ある程度設計条件をそろえた段階でデザインすべきものを具象化しつつ、プレゼンに向けて以下のことに留意しました。

・リストアップ期間(エスキス)はあと何回か
・4週間でなにができるのか、このproject にpotentialはあるのか、それはなにか
・これまでの発見、および今後みつけられるであろうことを、どこまで伝えられるのかを話し合う。この段階で不必要なことはカット。掘り下げられそうなものに集中。

ベルギーの街はかわいらしいファサードと裏腹にバックヤードはとにかく汚いです。Typical敷地は5m×20mの縦長でTraditional建物部分は道に面して5m×5〜10mに建つ。増築・改築の際はバックヤードに後付けするのが基本で、最新設備のキッチン・バスはルームユニットをバックサイドにつけていきます。建物をつなげる努力はあまりみられず、1階部の通路がつながっていればよい。中庭は光とりのためだけで本当にcomty spaceゴミや無秩序な駐車で緑なんか楽しめない。
採光の工夫は長年培われてきているのに、どーしてそんなにお庭がカオスなの!?日本・イタリア感覚では「借景」「明るい光はきれいなお庭から」なんだけどな。。。

プロジェは住宅街区に決定。土地分配方法は従来どおりの縦長敷地に設定し各個人の庭は縦長にとらなければならない、庭を閉ざすか私道とする権利は住人に委ねるとしました。プレゼンでは1階部が商店比率が0%−30%−80%−100%の場合をシミュレーションし、街区の30パーセントが商店である場合をケーススタディし庭の使われ方を提案しました。(page4)(page5)

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*最後の3週間
・一気に全ページを書く。outlineが決まったのちだれがどのページを担当するかきめました。ページの変更は何度も繰り返しました。

住宅だけの場合と商店を含んだものの設計。(page6) (page7)

あとはプロジェ全体のパース(page8)と部分のパース(page9)。最後のほうは設計がやけそくそになってしまったので、最後の2ページはどうしても欲しかったスペースを描きました。テーストそろえるために、パースを描いてはパース担当の子に渡して描いてもらって、と。いま思えば非効率だったかも。


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*提出までの2週間
チームメートが提出日にブリュッセルに帰ってくるというので、冬休みは休みとして満喫し、提出3日前にデータのやりとりをITでやって9ページが完成。
提出日にポスターのレイアウトと、ページを全部刷って提出。

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いろいろと反省点もありますが、ずっとつきあってくれたチームメートと先生に感謝。
あとMSNとGmailにも大感謝。最後のほうはとくにネットワーク社会だったなあ。共同作業スペースがない苦労を痛いほど感じました。モデルがつくれないと設計が飛ばないなあ。言葉で伝えるのも限界があるからスケッチ命でした。スケッチとコミュニケーションはすごーく必要だし、なによりそこでの苦労や失敗が一番楽しかった。